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今回は旧車制作が楽しくなってきたこともあり、前々から制作したくてうずうずしていたキットに手を出してみます。
それがこのタミヤから販売されていたベンツ500SECロリンザー。
まずはこのベンツがどんな車なのか、紐解いていきたいと思います。
メルセデスベンツ500SECロリンザーとは?
西ドイツには市販車に手を加えてエンジンの性能を高めたり、内装や外装をよりスポーティーに、より豪華に仕上げる専門の企業が数多くあります。
BMWのアルピナ、ベンツのAMGやロリンザーなどが有名です。
そんなロリンザー社が手がけるモデルは乗用車はもちろん、ジープやトラックまでベンツ社が生産するすべてに及んでいるといってもよいでしょう。
ロリンザー仕様のベンツはまさに世界にただ1台のベンツとして、西ドイツはもとより世界中で高い評価を得ています。
ロリンザー社の手による最高級モデルのベースは1981年に登場した500SEC。
4ドアサルーンの上級シリーズであるSクラスをベースとした4シーターの2ドアクーペで世界で最も高級かつ高性能なパーソナルカーと言えるでしょう。
全長4910mm、ホイールベース2845mmで、それぞれSクラス・サルーンより85mmづつ短縮されていますが、メカニズム的にはまったく同じ内容を持っています。
エンジンはSクラスの500S Eサルーンと同じ排気量、4973ccの水冷V型8気筒SOHCで231馬力の最高出力を発生。
重量約 1.6トンの車体を最高225km/hにも達するスピードで走らせます。
サスペンションは四輪独立懸架式となっていて、
フロントはダブル・ウィッシュボーンとコイル・ダンパーの組み合わせ、リヤーはセミトレーリングアームとコイル・ダンパーの組み合わせで構成され、フロントにはブレーキング時のノーズダイプを防ぐアンチダイブが、リヤーには急加速時のテールの沈み込みを防ぐアンチスクォット機能が組み込まれ、車の姿勢の安定を高めています。
ブレーキは4輪ディスク、特にフロントは冷却効果の高いベンチレーテッド・ディスクとされ、その高性能に見合った十分なブレーキ性能を持たされています。
サルーンとはまったく別物のボディは、全高で3cm低められ、前後のウィンドウの傾斜も強く、流れるようなラインをえがくと共に、その表面も極めてスムースに仕上げられ、空気抵抗係数は0.34とトップクラスの値におさえられていると言われます。
またフロントグリルは、トレードマークであるスリーポインテッド・スターを大きくアレンジした300SL以来の伝統のもので、メルセデス・ベンツのスポーツ車種であることを無言のうちに語っています。
ドアーハンドルの汚れを防ぐカバー、泥やホコリがつきにくく、確認しやすいテールライトなどの形状、さらにサイドウィンドウに雨水がまわり込むのを防ぐ独特な形状のフロントピラーなど、細部にいたるまでの入念さは、メルセデス・ベンツならではと言えるでしょう。
室内も極めて作りが良く、機能的かつ上品なデザインでまとめあげられています。
ステアリングホイールはスポーツタイプが用意され、シートはヨーロッパの高性能車には必ずオプションとして用意されているレカロを装備することができます。
レカロシートの中には8つの調整機能に加えシートヒーターまでついた高級モデルがあり、オーナーが望むならば取りつけることも可能。
また高性能なカーコンポステレオやテレビ、カーテレフォンまで用意され、さらにスポーツドライビングを楽しむために、よりハードなスプリングやショックアブソーバー、そしてスタビライザーもあり、これらはすべてサーキット走行などによりテストを重ねた結果の、ベストなサスペンションキットとして用意されています。
キットの中身はというと、エンジンや下回り、室内などがしっかり再現され、パーツ点数は多め。
組立甲斐のある内容となっています。
パーツを眺めながら出来上がりを想像し、さっそく組立をはじめていきましょう。
スジ彫り
まず最初にスジ彫りを行って行きます。
使用しているツールはタミヤ製のスジ彫り超硬ブレードで、0.15mmの刃を装着したものと、タミヤのPカッターとなります。
用途としては、超硬ブレードは全体的なスジ彫り、Pカッターは刃幅が超硬ブレードよりも広いので、ドアやボンネットなどの開閉パーツ部分に使用しています。
リアルな完成度を追求するにあたり、ボディのパーツそれぞれに対しスジをいれておかないと、塗装を重ねた時に、溝が塗料で埋もれてしまい、リアルなシャープさが欠けてしまうので、そうならない為にもしっかり丁寧に彫っていきます。
とはいってもあまり深くし過ぎると、不自然なシルエットになってしまったり、パーツが貫通し割れてしまう場合もありますので、あくまでも軽いタッチでそれぞれ3~5回を目安に、尚且つボンネットやドアなどの開閉パーツ部分は、Pカッターを使い、他のパーツとの差を明確につけるためにも、太めのラインになるよう意識しながら、しっかり彫っていきます。
パーティングライン消し
次にボディ全体にあるバリやパーティングラインを取り除いていきます。
製造過程で、金型同士を合わせてパーツを整形している為、どうしても付着してしまうのがパーティングラインです。
このパーティングラインはカープラモデルの場合、ボディを真上から見た際、縦一直線に入っている場合が多いので、実際に指で触り段差を確かめながら作業を進めていきます。
作業手順としては、800番程度のペーパーヤスリに水をつけ、ボディ全体にあるパーティングラインを取り除いていきますが、取り除く際の注意点として、細かなプレスラインもありますので、その部分まで削ってしまわないよう注意が必要となります。
このキットの場合、トランク周辺、バンパー周辺、ボディを真上から見た際、リアからフロントまでの縦一直線にパーティングラインがあり、特にリアのウインドウモール周辺は頑固なラインが形成されていました。
更にウインドウ内側や、フェンダー部分には細かいバリがありましたので、そちらもペーパーヤスリでシャープに整えていきます。
下地塗装
続いて、本塗装をする前の下地としてガイアノーツのエヴォブラックを吹いていきます
この下地処理は、深いツヤのある仕上がりを目的とするのであれば、必須作業になります。
パーティングラインを消すために、ボディ表面を削ったり、ヤスリのあとが残ってしまった場合は、必ずサフェーサーを吹いて本塗装の前に表面を滑らかにしておくことが大事です。
いかに下地処理で滑らかな表面を作り上げるか!
が重要な事かと思いますし、下地の段階からこの表面を意識しておくと、後々鏡面仕上げの工程で、時間を短縮出来たりするなど、効率があがります。
サフェーサーを吹き、パーティングラインも消え綺麗なボディーラインになったことを確認し、次の作業に移ります。
ボディの調整加工
続いてボディの調整加工となります。
使用したツールはタミヤの精密ピンバイスと極細ドリル刃の0.8ミリ。
まずはキーシリンダーの加工となりますが、キット本来の姿ですと両側のドアとトランクにキーシリンダーが再現されています。
こちらの再現されているキーシリンダーですが、クリアを厚めに塗装することと、鏡面仕上げを行う際、ガシガシと塗装面を削っていきますので、削り取りピンバイスで穴をあけインセクトピンで再現していきます。
ボディに傷をつけないよう細心の注意を払いながら作業完了。
今回はここまで。
次回は下回りとエンジンルーム、そしてインテリアの完成までをお届けする予定です。
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