1/24 TAMIYA TOYOTA SUPRA part1
みなさんこんにちわ
制作の過程を3つの動画にわけ、完成までを収録しているプラモの時間へようこそ
今回は、先の90スープラと並行して、こちらの80スープラも製作を依頼していただきました。
ご依頼いただいた仕様は、ドアが開く「パカパカ仕様」! 今回の動画では、仮組みから各部の調整、そしてドアの開閉加工を経て、下地塗装までを一気に進めていきます。
スポーツカーの開閉加工については、僕なりに一つ「これだ!」という答えに辿り着いた気がするので、ぜひ最後まで楽しんでいってください。 それでは、まずは実車の深掘りからスタートです!
80系スープラとは?
1993年、スポーツカーの聖地アメリカをターゲットに発表された、トヨタのフラッグシップ「80スープラ」。 車名の「Supra」には、英語で「至上」という意味が込められています。
まさに世界トップレベルを目指したトヨタの意欲作ですね。
全幅1811mmというワイドでボリュームのあるスタイルは、今見ても全く色褪せない圧倒的な存在感を放っています。

その心臓部には、3リッター直列6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。
実に320馬力のハイパワーと、43.6kg/mという強烈なトルクを叩き出します。
このパワーをロスなく伝えるのが、ドイツの名門ゲトラグ社製6速ミッション。
足回りもニュルブルクリンクで鍛え抜かれた4輪ダブルウィッシュボーンと、まさに走るための完璧なパッケージングです。
タミヤのキットは、そんな実車のメカニズムを忠実に再現しています。
ボンネットを開ければ拝める精密なエンジンはもちろん、フロントの4ポッド対向ピストンキャリパーなど、細部まで手加減なしの作り込みです。
説明書を眺めているだけで、当時の開発者たちの情熱が伝わってくるような、素晴らしい構成になっています。
ただ、これだけ精度が高いキットだからこそ、塗装の厚みひとつでパーツが合わなくなることもあります。 せっかくの傑作キットを台無しにしないために、ここでの「現状把握」が運命を分けます。
というわけで、まずはパーツ同士の相性を確かめる「仮組み」に移っていきます。 ここをしっかり詰めておくことが、完成への一番の近道になります。
仮り組み
タミヤの80スープラは、シャーシ裏やサスペンションの構造が本当にリアルで、組み立てているだけでも当時のトヨタの技術力の高さがビンビン伝わってきます。
足回りの精密なパーツを一つずつ合わせていくと、カチッと決まるこの感覚、さすがタミヤさんといった感じですよね。
特に今回のポイントであるエンジンの組み立てですが、ここもしっかりとパーツを合わせて、全体のボリューム感を確認しておきます。

このエンジンが完成後にボンネットの下に収まる姿を想像すると、今から楽しみで仕方がありません。
続いて、内装パーツも仮組みして、ボディとのクリアランスを見ていきましょう。
今回はパカパカ仕様ということで、ドアを開けた時に内装がどう見えるか、どこにヒンジを仕込むスペースがあるかを今のうちにしっかり分析しておくのが、仮組での段取りです。
ウインドウはボディに対し吸い付くように取り付けられます
最後にボディ、シャーシ、そしてタイヤを全てドッキング。

クリパーツも透明感抜群なので、特徴的な前後のライトハウジングはくっきり再現できそう
こうして形にしてみると、80スープラ特有の流れるようなワイド&ローなシルエットがはっきりと見えてきますね。
車高もちょうどいい。














この時点ですでに最高にカッコいいんですが、ここからのドア開閉加工で、さらに「精密」の1台へと昇華させていきます。
仮組で完璧な仕上がりへの道筋がしっかり見えてきました。
スジ彫り
次にスジ彫りの工程に入っていきます。

今回使用しているツールは、タミヤ製のスジ彫り超硬ブレードです。
ブレードは0.15mmと0.2mmを使い分けています。
基本的には0.15mmのブレードを全体的なスジ彫りに使用し、
ドアやボンネットなどの開閉パーツには少し太めの0.2mmのブレードを使っています。
リアルな完成度を目指すためには、ボディ各部のスジをしっかり入れておくことが大切です。
そうしないと、塗装を重ねたときに溝が塗料で埋まってしまい、シャープさが失われてしまうんですね。
この作業は、塗装前の重要な下準備になります。
ただし、スジを深く掘りすぎると、不自然なシルエットになったり、最悪パーツを貫通・破損してしまうこともあるので、
軽いタッチで、各パート3~5往復程度を目安に丁寧に掘り込んでいきます。
具体的には、ドア、ボンネット、モールやバンパーの継ぎ目、給油口カバー、そしてウインドウモールの外側などを中心に、
スジを入れて、塗装に備えていきます。
パーティングライン消し
続いて、画像の赤矢印で示した「パーティングライン」を削る作業に入ります。



プラモデルは、製造工程で金型同士を合わせて成形されるため、どうしてもパーツ表面に「パーティングライン」や「バリ」が発生します。
このラインを処理するかしないかで、最終的な仕上がりに大きな差が出るため、必ず取り除いていきます。
確認方法としては、パーツを手に取り、実際に指でなぞってみること。
特にカーモデルの場合、ボディを真上から見た時、左右対称に縦に走るラインが見つかることが多いです。
バンパー周辺は、特にパーティングラインが強く出やすいポイントなので、念入りにチェックします。
作業手順は、タミヤ製の320番ペーパーヤスリを使用し、水をつけながら丁寧に削っていきます。

このときの注意点は、実車に存在するボディのプレスライン(デザイン上のシャープな折れ目)を消してしまわないよう慎重に作業することです。
320番でパーティングラインを除去したら、徐々に番手を上げていき、最終的に1500番まで仕上げて、塗装に向けた下準備を整えます。
ボディの調整加工
さて、ここからはボディの加工に入っていきます!まずはドアのキーシリンダー部分。
ここは、元のモールドを削り取ってから0.8mmのピンバイスで穴を開けておきます。
完成の直前に、精密な3Dプリンタ製のキーシリンダーに換装させるための大事な仕込みですね。
こういう細かい部分の積み重ねが、最終的な「本物感」に繋がります。
続いては、ちょっと厄介なドアミラーの取り付け。
元の形状だと接着面が少なくて不安定なので、ここもしっかり対策しておきましょう。
ボディとミラーの双方に穴を開けて、真鍮線で軸を作ってあげます。

これで強度がグンと上がって、製作中や完成後にポロッと取れる心配もなくなります。

パカパカ仕様でドアを動かすからこそ、こうした「壊れない工夫」が必要です
パカパ化~ドアと内張の切り離し~
続いては、いよいよドアの“パカパカ化”、
開閉ギミックの加工に入っていきます。
まずはドア本体から。
ボディ表側のカットラインに沿って、
0.15ミリの超硬ブレードで全周に軽くガイドを入れていきます。

この段階では、無理に切り抜かず、
ラインをはっきりさせるイメージで進めます。
どこか一箇所が貫通したら、

そのスリットにプラッツのハイパーカットソーを差し込み、

ゆっくり慎重に切り進めていきます。
刃の厚みはわずか0.1ミリで、
切り離し後の隙間を最小限に抑えられるのが特徴です。
次に最大の難所、ドアの格納スペース。

内側の肉厚が残っていると動きが渋くなるため、
限界まで薄く削り込み、
最後にペーパーでなめらかに整えます。
これでドア加工の下準備は完了です。
続いて内張の加工。
一体成形のため、超硬ブレードと
超音波カッター「マジカッター」を併用して切り分け、

断面はデザインナイフとペーパーで丁寧に処理します。
このひと手間が、開閉時の仕上がりを大きく左右します。
パカパ化~ヒンジの設置~
続いては、今回の最重要課題、ヒンジ部分の製作です。
まずはドアを段差なくピタッと閉めるため、0.5ミリのプラ板で「ドア受け」を作ります。

ボディの形状に合わせてマステで型を取り、プラ板に転写してカットしたものを接着。
これで土台の完成です。
土台ができたら、次はマグネットの仕込みです。

ボディ側のドアノブ付近にネオジム磁石を固定し、切り離したドアを合わせて位置をマーキング。
ドア側にも磁石を接着すれば、カチャッと気持ちよく吸い付くように閉まる仕組みの完成です。

そしていよいよヒンジ本体。
今回の80スープラはサイドシルに十分な幅があるので、ここにL字シャフトを仕込んで回転軸にします。
ステップに幅があるスポーツカーの開閉は、このL字型が僕なりの一つの「答え」ですね。
1.5ミリのシャフトをL字に曲げたものを用意し、サイドシル内部に仮固定。
ドアの開閉角度を確認しながら、垂直になる位置を何度も微調整していきます。

ここがスムーズな動きを決める生命線です。
位置が決まったら、内径1.5ミリのアルミパイプをシャフトに通し、いよいよドアと合体させます。
ドア内側にエポパテを盛り付け、ボディとツライチになるようアルミパイプを押し当てて微調整。






チリが完璧に合ったら、パテでしっかり固定してヒンジ工作の完了です
パカパ化~サイドシルの作り込み~
次に、サイドシルの作り込みを進めていきます。
先ほどドアがピタッと閉まる「受け」を作りましたが、そのままだとバスタブ内装との間に隙間があって、開けた時の見栄えが良くないんですよね。
ここをプラ板とエポパテで、実車さながらの表情に変えていきます。
まずは内張をカットしたバスタブにマステを貼って、形状をトレースしてからプラ板に転写して切り出します。

これを内張側に仮止めしたら、5ミリのプラ角材をスペーサーとして接着。

これは後で使うパテを節約しつつ、変な場所に流れ込まないようにするための工夫です。
準備ができたら、エポキシパテを隙間にむにゅっと流し込んでいきます。
ざっくり盛り付けたら、スパチュラで形を整えて乾燥を待ちます。


パテがカチカチに固まったら、ここからが腕の見せどころ。
セラフィニッシャーやリューターを駆使して、一気に形を削り出していきます!

形状は、サイドシル部分も含めて2段構えにすると、グッと実車感が増してカッコよくなります。
削り出す時は、ドア側の磁石がしっかり収まるスペースを確保しつつ、内張を戻した時にステップ周りに干渉しないよう、常に完成を意識しながら丁寧に作り込んでいきました。
パカパ化~内張の作り込み~
続いては、ドアの内側の作り込みに入っていきましょう。
まずは内張の正確な位置決めからスタートです。
内張の裏側に、ドアとのクリアランスを稼ぐための5mmのプラ角材を2か所に設置。

ここでちょっとした裏技なんですが、後で取り外しができるように、角材にはリップクリームを塗って「離型剤」代わりにしておきます。
準備ができたら、ドア側にエポパテを盛り付けて仮組み。
そのままシャシーとボディを合体させ、内張をグッとパテに押し当てて位置を確定させます。

パテが硬化すれば、もう位置がズレることはありません。
次は、内張まわりにできた隙間を埋めていく作業です。
ここは形状が複雑でかなり泣かされるポイント。
隙間のサイズを測って少し大きめに切り出したプラ板を、ステップからサイドにかけて指で曲げながら、馴染ませるように形を作っていきます。

デザインナイフや紙やすりで微調整を繰り返し、隙間がピタッと塞がったら、プラ板をドア側に流し込み接着剤で仮止め。

パテが固まった内張を一旦外してから、内側から瞬間接着剤でガッチリ補強しました。
これで、カットした内張がドアに吸い付くように取り付けられる仕組みの完成です
下地塗装
最後に本塗装をする前の下地処理としてボディ内側、表面、あとはボディと同じカラーにするシャシーにガイアノーツのエヴォブラック、を吹いていきます


この下地処理は、深いツヤのある仕上がりを目指す場合には欠かせない重要な作業です。
パーティングラインを消すためにボディ表面を削ったり、ペーパーヤスリの跡が残ったりすることもあります。
そういった場合には、必ずサフェーサーを吹き付けて、各パーツ表面を滑らかに整えてから本塗装に入ることが大切です。
いかにこの下地の段階で、滑らかな表面を作り上げるか。
これが仕上がりに大きく影響します。
下地処理から滑らかさを意識しておくと、後の鏡面仕上げ工程での凹凸も少なくなり、磨き作業の時間を短縮できるので、最終的な効率もぐっと上がります。
もし吹き付け途中でホコリが付着してしまった場合は、焦らず乾燥を待ち、ペーパーヤスリで取り除いた後、再度サフェーサーを吹き直しましょう。
サフェーサーを吹き終えたら、パーティングラインや傷がきれいに消えているかを確認します。

表面が滑らかに整ったことをチェックして、次の工程に進みます。


今回はここまで!
次回はインテリア完成までをお届けする予定です
ご覧頂きありがとうございました
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